「20世紀の歴史は、広告の歴史だった」と断言できるくらい、光輝いてた1900年代のアメリカの広告界。
アメリカの広告史上、伝説のキャンペーンといわれている「ロールス・ロイス」の広告があります。
キャッチコピーを書いたのは、“広告の父”といわれるデイビッド・オグルヴィ。『タイム』誌で、「広告産業において、最も信頼される人物の一人」とも称された広告界の偉人の一人です。
その「ロールス・ロイス」のキャッチコピーは、「時速60マイルで走るロールス・ロイスの中でいちばん大きく響くのは電気時計の音です。」というものでした。
“At 60 miles an hour the loudest noise in this new Rolls-Royce comes from the electric clock.”
この広告キャンペーンにより、このキャッチコピーにより、ロールス・ロイスの売上げはなんと50パーセントアップしたというから驚きです。
ところで、実は、このキャッチコピーがつくられた20年ほど前にこんなキャッチコピーがつくられていました。
「新しいピアースアローのなか、唯一聞こえるのは電気時計の音。」
“The only sound one can hearing the new Pierce-Arrows is the ticking of the electric clock.”
これを指摘されたオグルビーは決して否定しなかったともいわれています。
これをもってしてオグルビーの偉大さが毀損されるものではありません。
けれど、20世紀の広告の歴史に燦然と輝くキャッチコピーが、実はダウンフレームによって生まれていたということもできるのではないでしょうか。
学ぶべきことを広告界の偉人から教わった、そんな気もするのです。