すぐれたキャッチコピーは、形容詞を使わない。
「男は黙ってサッポロビール。」
「僕は誰にも似ていない。」
数々の名作キャッチコピーを見ていくとある法則に気づきます。
それは、キャッチコピーのなかに形容詞を使っていないということです。
ためしに、これまでにあなたの心を動かしたキャッチコピーを思い出してみてください。
きっと、形容詞を使っていないのではないでしょうか。
形容詞は、いわば化学調味料のようなもの。
でも、そんな化学調味料で飾られたキャッチコピーでは、
ほんとうにひとの心を動かすことはできないのです。
すぐれたキャッチコピーを書きたいと思ったら、
まずは形容詞を封印してみるのもいいかもしれませんね。
すぐれたキャッチコピーは、違和感のある形容詞の使い方をする。
「おいしい生活。」
という時代を語った名作コピーがあります。
西武百貨店が、広告が、
そしてコピーライターがいちばん輝いていたとき、
当時のといったら失礼にあたりますが、
コピー界の永遠のスター、糸井重里さんがつくられたコピーです。
もし、このコピーをアメリカ人の方が書かれたら、それを見た日本人は、
「あのね、生活は食べられないの。だからおいしいとかまずいとかいわないの。」
というかもしれません。
そう、キャッチコピーでは、
こういう言葉と言葉の違和感のあるつなぎ方が大切なのです。
というより、その違和感こそ、
その広告を見たひとの心をスクラッチする心地よい違和感になるのです。
予定調和の常套句では、ひとの心は動かせません。
どんないままでにない違和感を表現できるか。
それこそ、キャッチコピーが目指すことのひとつなのです。
1958年、横浜生まれ。同志社大学文学部卒業。
広告企画制作・株式会社エヌワイアソシエイツ、総合広告代理店・株式会社インターストラテジー、ソーシャルメディア専門広告代理店・株式会社ソルト等の経営者であり、広告プロデューサー、ブランディングプロデューサー、コミュニケーションクリエイター、ディレクター、コピーライター、コーチ、セミナー講師、作家、詩人として幅広く活動。大手企業の広告キャンペーンを手がけ、多くの商品をヒットに導く。30年以上の広告人としてのキャリアの中で培った、商品の隠れた可能性を見つけ、付加価値を高める独自のブランディング手法を確立。そのブランディングノウハウを広く提供し、著名人の撮影やクライアントのパーソナルブランディングをプロデュース。プロフィール構築からポートレート撮影、目標達成や成功をサポート。クライアントは多岐にわたり、カリスマブランディングプロデューサーとしても定評を集める。マイケル・ボルダック認定コーチ。経済産業大臣登録中小企業診断士。