AKBの『恋するフォーチューンクッキー』を知らないひとはいないでしょう。
ダンス全盛のいま、誰もが真似できるやさしいダンスの振り付けは、結婚式の余興等さまざまなところで真似されてきました。
そこには、AKBのプロデューサーである秋元康さんのダウンフレーム戦略があったのです。
県知事まで登場した『恋するフォーチューンクッキー』の佐賀県庁バージョンが話題を集め、他の県でもそれを真似するところが続々と現れてきました。そして、さまざまなところで次々と『恋するフォーチュークッキー』の原曲をバックに、幸せそうに踊るひとの姿がYouTubeに次々とアップされ、それを見るひとの心を捕らえていきました。
当然のことながら原曲であるAKB自身のオリジナルの『恋するフォーチューンクッキー』も、CDが売れない時代といわれるなかで大ヒットを飛ばしたのです。
ところが、実はこの大ヒットは、ある世界的大ヒットのプロモーションをダウンフレームしたものだったのです。
まずこれをご覧ください。
韓国のPSYという男性ミュージシャンの『カンナムスタイル』という曲は、YouTubeにアップされ公開から2ヵ月で再生回数1億回を突破し、あのレディガガの視聴回数を凌駕し、世界一に躍り出たのです。「江南スタイル」という乗馬のスタイルを模したダンスと、軽快なポップが欧米をはじめ、世界の人々の心を掴み、さまざまなパロディが次々とYouTubeにアップされたのです。
世界的なメガヒットとなった『カンナムスタイル』。そのYouTubeプロモーションをダウンフレームしたのが『恋するフォーチューンクッキー』のYouTubeプロモーションだったのです。
ここで大切なことは、『カンナムスタイル』のメガヒットをダウンフレームできると確信したプロデューサー秋元康さんの発想力です。
単なるモノマネではなく、あくまでヒットの構造のそのフレームワークを応用したことが、成功の鍵だったのです。
僕らも、なにかヒットしたものを目にしたとき、そのヒットの秘密に隠された構造を見抜けないか、そんな視点も必要ではないでしょうか。