「20世紀の歴史は、広告の歴史だった」と断言できるくらい、光輝いてた1900年代のアメリカの広告界。
アメリカの広告史上、伝説のキャンペーンといわれている「ロールス・ロイス」の広告があります。
キャッチコピーを書いたのは、“広告の父”といわれるデイビッド・オグルヴィ。『タイム』誌で、「広告産業において、最も信頼される人物の一人」とも称された広告界の偉人の一人です。
その「ロールス・ロイス」のキャッチコピーは、「時速60マイルで走るロールス・ロイスの中でいちばん大きく響くのは電気時計の音です。」というものでした。
“At 60 miles an hour the loudest noise in this new Rolls-Royce comes from the electric clock.”
この広告キャンペーンにより、このキャッチコピーにより、ロールス・ロイスの売上げはなんと50パーセントアップしたというから驚きです。
ところで、実は、このキャッチコピーがつくられた20年ほど前にこんなキャッチコピーがつくられていました。
「新しいピアースアローのなか、唯一聞こえるのは電気時計の音。」
“The only sound one can hearing the new Pierce-Arrows is the ticking of the electric clock.”
これを指摘されたオグルビーは決して否定しなかったともいわれています。
これをもってしてオグルビーの偉大さが毀損されるものではありません。
けれど、20世紀の広告の歴史に燦然と輝くキャッチコピーが、実はダウンフレームによって生まれていたということもできるのではないでしょうか。
学ぶべきことを広告界の偉人から教わった、そんな気もするのです。
1958年、横浜生まれ。同志社大学文学部卒業。
広告企画制作・株式会社エヌワイアソシエイツ、総合広告代理店・株式会社インターストラテジー、ソーシャルメディア専門広告代理店・株式会社ソルト等の経営者であり、広告プロデューサー、ブランディングプロデューサー、コミュニケーションクリエイター、ディレクター、コピーライター、コーチ、セミナー講師、作家、詩人として幅広く活動。大手企業の広告キャンペーンを手がけ、多くの商品をヒットに導く。30年以上の広告人としてのキャリアの中で培った、商品の隠れた可能性を見つけ、付加価値を高める独自のブランディング手法を確立。そのブランディングノウハウを広く提供し、著名人の撮影やクライアントのパーソナルブランディングをプロデュース。プロフィール構築からポートレート撮影、目標達成や成功をサポート。クライアントは多岐にわたり、カリスマブランディングプロデューサーとしても定評を集める。マイケル・ボルダック認定コーチ。経済産業大臣登録中小企業診断士。